AI時代のきもの  

こんにちは。大阪府箕面市を中心に北摂地域できもの教室や出張着付けをしております、たま着物教室の川田たまきです。最近、茂木健一郎さんの「人口知能に負けない脳」という本を読みました。2015年に出版されたご本ですので、もう4年前のものなのですが、大変興味深く、私のような機械音痴の時代遅れにも、勇気を与えてくれる内容でした。AI時代に、きものはどのようになっていくのかについても、私は少しワクワクしています。

AIにおまかせ?

AI(人口知能)が人間の仕事をやってくれるなら、私達はどうしたらいいのでしょう?という議論がしばしばなされていますよね。AIプログラムは蓄積されたデータを元に正しいと思われる判断をし、さらに、自分で自分を改良できるようになっていくので、ある時点で人類の知能を超える(2045年と言われています)そうです。素晴らしいですよね!膨大な数の蓄積されたデータがベースなので、何でもパーフェクトにできるでしょう。松本零士さんの「銀河鉄道999」に出てくるメーテルのお母さん(機械化された天才博士)みたいな感じでしょうか?ネジにされちゃうのは嫌だけど、素晴らしいプロジェクトには加わってみたいですね。

人間にできること

何でも完璧にできるAI。じゃあ、私達はすることがなくなってしまうのかといえば、そんなことはありません。確かに、記憶やデータ解析では足元にもおよびませんが、逆に正しくないこと、ちょっとダメなこと、まるっと言ってしまえば個性的なことでは、勝てちゃう!しかも、流行って、全部そうじゃないですか?無駄に太い帯も、袴に編み上げ靴も、ヤマンバギャルも、タピオカも、既存のものからすると、ちょっと変なもの(ごめん)が、感覚的に伝播していった結果ですよね。こういう感覚的なコミュニケーションは、ファッションにおいての最重要事項だと思います。もちろんAIにはオシャレで完璧なコーディネートができるでしょう。でも、着るものは無言のコミュニケーションです。AIによる完璧コーデを選ぶ人は、自分よりも人の気持ちを大切にする人、という無言の発信をすることになります。逆に、自分で好きなものをコーディネートする人は、自分軸を持っている人ということが分かります。どんなものが流行るのかは分かりませんが、確実なことは、それが必ず人の記憶に残る個性のあるものだということです。そういうものを考え出したり、作ったりしていく、クリエイティブなことが私達人間の仕事になってくるのではないでしょうか。

きものの未来

現在、きものは、昭和の大戦以降に決められた、訪問着には袋帯とか、留袖に色刺繍の衿はダメとかそういうルールがたくさんの中で着ることを余儀なくされています。ですが、これからの時代、既存のものがどんどん変わっていく中で、そのルールがいつまで存在できるか、私は疑問に思っています。大正時代のように、女の子達が新しいものを考え出していくことが、令和の着物にだってありえます。そして、拡散力は大正時代とは比べ物にならないくらい大きくなっています。機械でもできる仕事をしなくてもよくなった時代に、楽しいことや、わくわくすることを仕事にした人間が、無言のコミュニケーションツールとして着物をどういうものにしていくのか、どこまで伝播できるのか、とても楽しみです。

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