夏のきものを着る前に 

 今年も6月がやってまいりました!衣更えの季節ですね。今年は緊急事態宣言が続き、着物でお出かけの機会もめっきり減ったことと存じますが、軽い単(ひとえ)の着物や浴衣で、ちょっぴりでも楽しめると良いですね!タンスや衣装箱に仕舞いっぱなしの着物を出してあげるのに最適な季節もすぐそこまで来ています。

いつがいい?着物の虫干し

 着物や帯を、タンスや衣装箱に入れたままにしておくと、湿気でカビが発生したり、虫食いにあったりしますので、年に1、2回は、外に出して風を通してあげると良いでしょう。そのことを、虫干しといいます。

虫干しは、空気が乾燥している時に行うのがベスト。最も良いのは11月から2月頃までの間で、晴天が2日以上続いた天気の良い日です。

そして、その次に良いのが、梅雨明けの晴天が続いた日。ちょうどこれからですので、長い間仕舞いっぱなしにしていた着物を出して、干してあげてはいかがでしょうか。

干す時は、扉や窓を開けて、直射日光が当たらない、風通しの良いところに掛けてあげて下さい。タンスや衣装箱もほこりを払って、引き出しなどを日光に当てて一緒に干しておけば、防カビ、防虫効果が格段にアップします。

干す時間は朝10時ごろからお昼の2時頃まで。3時を過ぎると湿気てきますので、それまでに終わるようにしましょう。ついでに、帯揚げやお紐類などの小物も一緒に干してあげると、気持ちよく使えます。

私はよく、着付けに使用するモスリン(ウール)の紐が虫に食べられています…。汗などが付いた天然素材は狙われやすいので、皆様をお気をつけ下さい!

着物のお手入れと防虫剤

お客様や生徒さんから、1回きた着物は洗わないといけないのでしょうか?とよく聞かれます。

私の答えは、とりあえずNO!でも、しばらく(1年以上)着る予定が全くないのなら、丸洗いしてもらってもよいかと思います。でも、着るかも知れないなら、ひとまずは、着用後、1日干してから、きれいに畳んで仕舞っておけば問題ありません。

きものを着る時に、タオルを巻いたり、襦袢を着たりしていますので、案外きもの自体にまで汗が及んでいることは少ないものです。なので、1日干して、ほこりや湿気を取り除いてから仕舞っておけば、大丈夫なことがい多いのですが、何かをこぼしてシミになったところは、できるだけ早くきもの洗いの専門店か、きもの屋さんに持って行って下さい。

現在のきもの洗濯の技術では、余程の年数が経った汚れやカビは取れないこともあるそうですが、比較的新しい汚れなら、どんなものでもほぼ落とせるそうです。そうした着物をチェックすることも兼ねた虫干しは、やはり年に1度は行うと良いと思います。

そして、防虫剤についてですが、ピレスロイド系をお勧めしています。ナフタリンや、しょうのうは、他のものと混ざると、着物や帯の金箔などを痛める危険がありますので、避けた方が良いでしょう。香りもきついので、お茶席などにも向きません。ピレスロイド系の、普通にドラッグストアで売っているもので大丈夫です。

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