粋な着物選び

すっかり涼しくなりましたね!いよいよ10月、袷(あわせ)の季節がやって来ます。秋のお出かけに備えて、今日は、着物の粋な選び方について、ちょっとしたコツをお伝えいたします。

粋な着物の柄選び

お洋服とは少し違う、着物の選び方。お色だけで選んでしまいがちですが、日本の粋を少し意識するだけで、美しい柄を際立たせ、粋で知的なコーディネートが出来るようになります。

着物の柄は、草花など自然のものがモチーフになっていることが多いです。菊や桜や梅、紅葉などもよくあります。桜の柄はお花見に、紅葉柄は紅葉狩りに着て行けばピッタリ…と思いきや、これは着物では、もっと言うと日本人の粋な美意識では、野暮の骨頂なのです。

では、どんな柄を選べば粋なのかと言うと、季節を少しだけ先取りしたもの、古事などになぞらえたもの、など、少し想像力を働かせて自分も、その着物を着てお会いする方や、通りすがりに見る方も楽しめるような、季節や時節柄も考慮に入れたものです。

それらを踏まえた上で、柄については、自分の感性で選んで大いに結構。それが一番楽しいところだったりします。

暑い夏は涼やかに、寒い時にはほっこりと見せるのも大切なポイントです。見る人に、ひんやり感を与えるために盛夏の着物や帯にも、雪輪の模様が使われたりします。萩などの秋草の模様などもよく使われますね。逆に、寒くてたまらないような冬時期に、雪輪模様なんて、あまり見たくないし、詫びてきた秋に秋草模様を持ってきても、寂しくなるだけですよね。

そんな風に、自分も見る人も楽しませる柄選びが出来たら、とっても粋だと思います。

粋な帯揚げ、帯締め選び

古くからの日本の文化では、同じものを持ってくるのを嫌う傾向があります。西洋では、左右対称が好まれるのに対し、日本では左右非対称、アシンメトリーな幽曲のあるものが好まれます。

全く同じくしてしまうと、面白くないと思われてしまうんですね。帯揚げ、帯締めに関してもそうです。帯揚げと帯締めを、無難に同じ色にしてしまいがちですが、少しでも粋(日本風おしゃれ)に着たい時は、これは避けたいところです。

帯締め、帯揚げのどちらか一方を、着物の中にある色のうちのどれかと合わせると、おしゃれに決まります。または、帯揚げ、帯締めどちらか一方を差し色にして、他は着物か帯と同系色でまとめるのも素敵です。

着物は、帯揚げと帯締めだけで、かなり印象が変わりますので、お手持ちのものを色々とコーディネートして、楽しんで下さい。

粋、というと、衣紋の抜き加減などを気にされる方も多くいらっしゃいますが、私は裾の長さの方が気になります。裾を短く着付けてしまうと、足が短く見えたり、歩くときに素足が見えたりしてしまいます。着付ける時は床すれすれくらいをお勧めしていますが、汚れなどが気になる場合、少し着丈を短めにしたら、足袋を5枚コハゼのものにしてみて下さい。4枚コハゼより少し長いので、足元がきれいに見えます。

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