成人式のきもの
こんにちは。大阪府箕面市の、たま着物教室の川田たまきです。いよいよ、成人式が近づいて来ましたね!と思うのは、今回の成人式に関係がある人間だけかと思いますが、今日は成人式のあれこれの巻です!
振袖のきもの
きものには、袖の長い振袖と、短い留袖がありますね。この違い、なぜだかご存知ですか?
「あかねさす 紫野(むらさきの)行き 標野(しめの)行き
野守は見ずや 君が袖振る」
万葉集にある額田王(ぬかたのおおきみ)の有名な歌です。この歌では、秘密の恋の相手が自分に袖を振っているのを、人に見られなかったか気にしています。「袖振る」ということは、愛する人の魂を呼び寄せることだと昔の人は考えていたようです。ちなみに、この額田王の秘密の恋は、後に成就しちゃっています。
そして、時代とともに、袖はだんだん長くなって、振袖と呼ばれる着物へと変化し、未婚女性の正装となりました。そして、愛する魂を呼び寄せて結婚すると今度は袖を短く切り留めました。これが留袖、既婚女性の正装です。長い袖は、夫となる人の魂を呼び寄せるためのものなので、結婚するともう必要なくなるというわけですね。
成人式のきもの着付け
成人式にお着物を着られる方は、近年増えているようです。私も毎年、美容院で着付けをさせただいていますが、ここ数年は毎年、朝4時からスタートしています。
写真館や、着物レンタルの会社、美容室と成人式の着付けを行っているところは様々ですが、だいたい前年の夏頃までには、ご予約先を決定しておかないと、とても朝早い順番しか取れなかったり、思うところに頼めなかったりするようです。
都心のホテルなどで一斉に着付けを行っているところもあるようですが、成人式は地元で行われますので、なるべくお家の近くで着せてもらうのがベターですね。振袖を着て移動が多いと結構タイヘンですし、お天気が良い時ばかりでもありません。成人式を控えている方は、早めに近くに良いところを探しておくことをお勧めします。
成人式のきもの着付けに必要な小物
成人式の振袖の着付けに必要な小物はたくさんあって、揃えるお母様方の悩みのタネではないかと思われます。
そもそも肌襦袢って何?三重紐ってどこに売ってるの?などなど。着物屋さんが全て揃えてくれるなら話は早いのですが、お母様やお姉様の振袖を着られる場合や、着物を借りた場合は、ご自身で揃える必要がありますよね。
美容院に着付けをお願いした場合はだいたい、必要なものを事前に知らせてくれますので、その通りに持って行って下さい。お近くに着物用小物が売っていない場合は、アマゾンで検索するとサクッと見つかりますし、お値段も適切です。
成人式を着物で過ごす
最後に、成人式を着物で過ごすための、見落としがちな注意点についてお話します。
まず、とっても大事なお手洗いについて。これは絶対に洋式をお使い下さい。お袖も裾も長いですし、和式で下に擦れてしまったら完全アウト!でも、洋式ならセーフのことも多々あります!
そして、着付け師さんによっては、絶対にゴムベルトを使わない方もいらっしゃるのですが、できるだけ腰紐はゴム入りのものか、着物用のゴムベルトをお使い下さい。後々のしんどさがケタ違いに違います。
あと、草履の鼻緒を広げておくこと。新品の草履の鼻緒は固いので痛くなりやすいです。事前に一度履いてみて、ぎゅっと引っ張って広げておくと少し楽になります。
来年の成人式、晴れるといいですね!