卒業式・入学式の着物 羽織は必要?
いよいよ、学年の締めくくりのシーズンですね!そして、新しい旅立ちの季節もすぐそこまで来ています。今日はその大切な節目の行事、卒業式や入学式の時の着物の装いについてのお話です。
最近は、小学校の卒業式に女の子達が袴姿で出席されているのを、よく見かけるようになりました。華美になりすぎということで禁止にされる学校もあるようです。卒業式に臨む乙女の気持ちを察して、大目に見ていただきたいものですね。
卒業式・入学式の着物
卒業式、入学式にご出席されるお母さまや保護者様で、お着物でのご参加をお考えの方のために、ざっくりと着物のドレスコード的なことをお伝えします。
私の周りの方を見ましても、訪問着で行かれる方が多いようです。その他、色留袖や色無地などのいわゆる略礼装にあたるものが相応しいとされています。が、実は小紋や付け下げでもOKになる着こなし手段が一つあります。
それは、紋付黒羽織を着用すること。小紋や付け下げを、略礼装に格上げしてくれる、とっても便利な黒羽織。子供の入学式や急なお通夜などに昔は重宝され、主婦の方はだいたいお持ちだったようですが、着物で過ごすことが少なくなった現在では、出番はなかなかありません。もし、紋付黒羽織がお家にあるようでしたら、素敵な小紋や付け下げも、卒業式や入学式に着ていけますよ。
羽織は必要?
では、留袖や訪問着でも羽織は必要なのかというと、逆にNGなのです。面白いですよね。一般に、正式の場では女性は羽織を着ません。もともとは男性だけが着用するものだったという歴史があるからだと思われますが、年配者以外は女性は正式には羽織を着用しないものということになっています。
ただし、卒業式や入学式、または略式の喪服として、小紋では着物の格が低い場合や、着物の派手さを抑えたい場合などには紋付の羽織を用います。その場合でも未婚の女性は着用しないということになっています。
以上、ざっくりと卒業式、入学式のための着物のお話でしたが、まだまだ肌寒い季節ですので、羽織やコートを着ていかれたりする方もいらっしゃると思います。紋付黒羽織で行かれる方は脱がないでいただきたいのですが、訪問着など略礼装で行かれる方は、式場では脱ぐように心がけて下さい。
決まり事は時代と共に変わっていくもので、多数決みたいなところもあるものですが、たまに、これでいいのかしら?と確かめたいこともありますよね。そんな時のお役に立てたなら嬉しいです。
大阪府箕面市を中心に北摂地域で出張着付けや、きもの教室をしております、たま着物教室では卒業式、入学式の出張着付けも承っております。ご質問なども、お気軽にお問合せ下さいませ。